
terminal.0 HANEDA — Sustainability Division
羽田空港で年間972件も廃棄されるスーツケース。
現在のリサイクル率は0%——。
防ぐ。活かす。届ける。3つの層で廃棄ゼロを実現する、
terminal.0発のサステナブルプロジェクト。
The Problem
訪日外国人客数は2024年に約3,687万人と過去最多を記録しました。それに伴い、旅行中の破損や日本での大量購入による容量不足を理由に、スーツケースを空港内に放置するケースが急増しています。
遺失物として3ヶ月保管された後、持ち主が引き取りに来るのは全体のわずか1割程度。残りの9割は産業廃棄物として廃棄されます。
現在のリサイクル率:0%
回収されたスーツケースはパーツごとに分別された上で、すべて産業廃棄物として廃棄されています。リサイクル・リユースの仕組みは一切存在しません。
0件/年
羽田空港第3T(2024年度)
0%
引取りなしの割合
0件
成田空港の年間拾得数
0万人
2024年訪日外国人数
| 空港・施設 | 年間放置数 |
|---|---|
| 成田空港 | 約1,073件 |
| 関西国際空港 | 約816個 |
| 羽田空港第3T | 972件(2024年度) |
| 中部国際空港 | 年間70〜80件 |
出典:読売新聞(2025年9月13日)、東京新聞(2026年2月15日)、中日新聞(2026年2月19日)

Our Vision
まず放置を防ぐ。それでも発生するものは100%活用する。そして、その仕組みを社会に届ける。3つの層で構成される循環モデルが、廃棄ゼロとリサイクル率100%を同時に実現します。
放置数
件/年
リサイクル率
%
Layer 1 — Prevent
放置そのものを減らす上流対策。「捨てないでください」ではなく、「捨てなくて済む仕組み」を作ります。

スーツケース放置の最大の原因は「荷物が入りきらない」こと。SJOY社の衣類自動圧縮サービス「Pocket Tips」は、この根本原因に直接アプローチします。terminal.0の同じプロジェクトメンバーであるSJOYとの連携により、「防止策と再生策が一つのチームで一体推進できる」という独自の強みが生まれます。
英語・中国語・韓国語・タイ語等での案内を、チェックインカウンター、出発ロビー、リパッキングエリアに設置。「ここに預けてください。あなたのスーツケースは第二の旅に出ます」というポジティブなメッセージで旅行者の行動を変えます。
出発ロビーの目立つ場所に専用の回収ステーションを設置。「捨てる」ではなく「預ける・寄付する」という行為に変換し、旅行者の心理的ハードルを下げます。リボーンされたスーツケースの写真や寄付先の子どもたちの笑顔を掲示し、ストーリーを見せます。
リサイクル率への貢献
第1層は「間接的貢献」。放置数自体を減らすことで廃棄対象の母数を縮小し、第2層でのリサイクル率100%達成を容易にします。

"空港で捨てられたスーツケースが、子どもの修学旅行の相棒になる"
Layer 2 — Utilize
第1層で防ぎきれなかったものを、一つも無駄にしない「受け皿」。6つの事業の柱で、回収スーツケースの100%活用を目指します。
リサイクル率への貢献:直接的貢献
リユース・寄付・アップサイクル・卸売により、回収スーツケースを100%活用し、リサイクル率を直接引き上げます。
状態良好なスーツケースをクリーニング・修繕し、ECサイトや空港内ポップアップストアで販売。海外バイヤーへの卸売も展開します。
月間30〜50個のEC販売、海外バイヤーへ50〜100個の卸売を見込みます。
児童養護施設の退所者、修学旅行支援、ひとり親家庭、災害被災地へスーツケースを届けます。
里親制度の子どもはゴミ袋で荷物を運ぶことも。スーツケースが旅立ちの象徴に。
スーツケースをプランター、アート作品、ペットハウスなどに変えるワークショップをterminal.0で定期開催。
月2回開催、各回20名参加で月間10万円の収益を見込みます。
スーツケースを植栽ポットに加工し、DCM等のホームセンター園芸コーナーに卸売。グロウアースとのセット商品も構想中。
全国約670店舗のDCMへの展開で、年間972件の出口戦略を確保します。
スーツケースメーカー、旅行会社、ECプラットフォーム、自治体との連携でプロジェクトを拡大します。
コスモヘルスの健康事業との融合で、独自の差別化を実現します。
専用Webサイト、SNS、メディアリリース、terminal.0内展示を通じて、プロジェクトの認知度を高めます。
年次レポートで環境負荷削減量と社会貢献実績を数値化して報告します。

Retail Partnership
年間972件のスーツケースを消化するには、個人向け販売だけでは限界があります。DCMをはじめとする全国規模のホームセンターチェーンへの卸売は、「数を捌く」という観点で極めて有効な出口戦略です。
DCM(約670店舗)、カインズ、コメリ等
植栽ポット単品 / グロウアースセット商品
1,500〜3,000円(サイズ・状態による)
商品タグに「このスーツケースの旅の履歴」を記載
Workshop
スーツケースを別の製品に生まれ変わらせるワークショップを、terminal.0やHANEDA INNOVATION CITYで定期開催します。
MOBILE FARM(動く畑)
親子・一般
2,000〜3,000円
アートペイント
子ども・学生
1,500〜2,500円
トラベル・メモリーボックス
一般・カップル
3,000〜5,000円
ペットハウスづくり
ペット愛好家
2,500〜4,000円
SDGs学習プログラム
小中学生
1,000〜1,500円

Special Project
大建工業の木質培地「グロウアース」を使って、廃棄スーツケースをプランターに変え、ハーブを育てる。そのハーブを使った試食会をterminal.0で開催します。

グロウアース × スーツケースプランター
大建工業が開発した国産木材チップ由来の木質培地。土の代替として重量は約半分、親水性に優れ、可燃ごみとして処分可能。屋上緑化や菜園システムで実績を持つ。
廃棄スーツケース(空港の課題)× 国産木材培地(森林資源の活用)× ハーブ栽培(食の楽しみ)。三つの要素がつながる、目に見える循環型モデルです。

terminal.0 ハーブ試食会イメージ
スーツケースプランターで育てたバジル、ローズマリー、ミントなどのフレッシュハーブを使った試食会をterminal.0で開催。「廃棄スーツケースから食卓へ」というストーリーを体験できるイベントです。
会場
terminal.0 HANEDA
栽培素材
グロウアース(大建工業)× 廃棄スーツケース
メニュー例
バジルブルスケッタ、ハーブティー、ローズマリークラッカーなど
コンセプト
「捨てられたスーツケースから食卓へ」——循環を体験する
Layer 3 — Deliver
羽田で確立したモデルを社会に広げ、「廃棄ゼロ空港」を日本のスタンダードにする。
リサイクル率への貢献:波及的貢献
他空港への横展開により、日本全体の空港スーツケースリサイクル率を底上げします。
羽田で確立した「防ぐ × 活かす」のモデルを、成田・関空・中部・那覇など他の空港にも展開。terminal.0のコンセプトに完全合致します。
スーツケース廃棄ゼロを達成した空港に対する認証制度を提唱。羽田空港が世界に先駆けて国際的リーダーシップを示す機会です。
「旅の終わりに、スーツケースを捨てない」という意識を根付かせるキャンペーン。航空会社・旅行会社・宿泊施設と連携します。
Financial Plan
「利益最大化」ではなく「持続可能な運営」を目指す、ソーシャルビジネス型の収支モデルです。
月間収入
0円
月間支出
0円
月間黒字
+0円
Partners
terminal.0での発信をきっかけに大きな反響をいただき、以下の企業が参画しています。
衣類圧縮サービス(第1層「防ぐ」)
衣類自動圧縮サービス「Pocket Tips」を提供。放置の根本原因である「荷物が入りきらない」問題を解消する、上流対策の要。
Roadmap
リサイクル率 = (リユース + アップサイクル + 寄付 + 卸売)÷ 回収総数 × 100%
現状
—
全量を分別廃棄。リサイクル・リユースの仕組みなし
Phase 1
1〜3ヶ月目
空港との協議、法的確認、選別基準策定、SJOY連携体制構築
Phase 2
4〜6ヶ月目
リユース販売開始、第1回WS開催、Pocket Tips試験運用
Phase 3
7〜12ヶ月目
EC本格化、回収ステーション設置、ホームセンター卸売試行
Phase 4
2年目
Pocket Tips常設化、企業スポンサー獲得、他空港との協議開始
Phase 5
3年目以降
全回収スーツケースの再生・活用達成。廃棄ゼロ宣言
Activity Report
プロジェクトの進捗と最新の活動をお伝えします。
terminal.0 HANEDAのサステ部にてプロジェクトを発信。複数企業から参画の申し出をいただく。
スーツケースプランターでハーブを育て、terminal.0で試食会を開催する企画が進行中。

Why This Project
現在、回収されたスーツケースは一切リサイクルされず全量廃棄。だからこそ、どんな一歩も確実に成果として可視化される。0%から100%へ——その道筋を、このプロジェクトが描きます。
放置を防ぐSJOY(Pocket Tips)と、放置されたものを再生する仕組みが、同じterminal.0のプロジェクト内に揃っている。この一体性は、他のどの空港にもない独自の強みです。
羽田発の循環型モデルとして、他空港への横展開が可能な汎用性を持つ。「ゼロから作り出し、世界に届ける」というterminal.0のコンセプトそのものです。
"捨てられるスーツケースを、ゼロにする。"
防ぐ。活かす。届ける。——羽田空港から始まる、新しい循環のかたち。